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席画での講話

文房四宝()

写意画と工筆画

人物画への誘い

 

 

 

   写意画と工筆画

中国水墨画は題材によって、山水画、花鳥画、人物画に分けられ、表現技法によって(しゃ)意画(いが)工筆画(こうひつが)(細密画)の二つがある。顔料を塗り重ねて精緻を極めたのが「工筆画」であり、作者の“意”を表現するのが「写意画」である。

 

歴史

水墨画は山水画を中心に唐代中期(8世紀)から起こり、北宋(9601127年)時代で基本ができ、北宋画(職業画家系)と南宋画(文人画系)として発展して鎌倉時代に日本に伝わった。工筆画は唐代に形式がほぼ出来上がり、五代(907960年)に発展、北宋・南宋代(9601279年)に最盛期をむかえ現代の工筆画まで受け継がれている。工筆画は精巧な風格と富貴さに主に宮廷絵画として愛された。

比較

 

写意画((もっ)(こつ)法)

工筆画(鉤勒(こうろく)法)

特徴

対象の外形を精密に再現するものでなく、対象の「意」(本質・精髄)を描こうとするもので、色彩を用いる場合もあるが、水墨技法を主体とする。

対象の輪郭線を精密に描き、その内側を彩色で埋めていく方法。繊細で、色彩が豊富で、写実的である。

日本画との違いは絵の具の厚さで、工筆画は薄塗り。

描きたい表現に合わせて、どんな筆でも可能。

線描をする腰のあり弾力性のある小筆。

色をおく中筆、ぼかし用の柔らかめの筆。

基本は生紙(きし)

ドーサ引きの滲まない熟紙。

複雑な技法を取り組む場合、絹は適さず。

顔料

 

鉱物・植物顔料。日本産顔料は日本画に適用するが、粒子が荒いため工筆画に適用しない。

中国画の顔料

■鉱物顔料

 自然の鉱物を原料として作ったもので、覆蓋力が強く、不透明なのが特徴である。

 赭石、朱砂、朱膘、石青、石緑、鋅白など。

■植物顔料

 植物、動物を原料として作ったもので、親水性がよく透明であるのが特徴である。

 花青、臙脂、曙紅、藤黄など。

日本画の画材

顔彩

 顔料をデンプン質(水あめ)とアラビアゴム、膠分で練り混ぜた固形の絵の具で、水に溶かして使用する。特に角皿に入れて乾燥したものを顔彩、丸皿にいれたものを鉄鉢という。色調は透明型淡彩色。

墨彩

 顔彩と水墨のコラボのことで、顔彩のみを用いた場合に比べより深みのある表現となる。

水干(すいひ)絵具

 顔料を胡粉(イタボガキという牡蠣貝を原料とした炭酸カルシウム系の顔料)と混ぜ、水で不純物を取り除いた後、乾燥させ作られる絵の具。特徴として色数が豊富・粒子が細かくて塗りやすい・自由に混色ができる・安価である。そのままでは定着力がないので、膠と水で溶くが、乳鉢でよりすり潰す必要がある。古くは泥絵具(土絵具)と呼ばれた。岩絵具の下塗りとして使用されるのが多い。

岩絵具

 鉱物(藍銅鋼、孔雀石、ラピスラズリ、虎目石、黒曜石、辰砂など)を一般的には513番、白(びゃく)までの荒さに分けて砕いた顔料の一種。膠と水で溶く。他の絵の具に比べ絵肌がザラザラし、薄塗りから厚塗りまで表現に応じたマチエールが作れる。現在は着色ガラス粉末と金属酸化物を配合し、溶かして固形にしてから砕いて化学的に作った新岩絵具が主流である。

資料提供 : ウィキペディア、日本画画材メーカ

 

 

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